内装工事の成否は 最初の既存設備調査で9割決まる とも言われています。
給排水の位置を誤解したり、電力量を読み誤ると、
- レイアウトが組めない
- 追加工事が発生する
- 工期遅延
- コストアップ
といったトラブルにつながります。
この記事では、店舗内装の現場で実際に行っている
既存設備調査のポイントを解説 します。
■ 1. 給排水設備の調査(最重要項目)
▼ 排水立ち上がりの位置・高さ
排水ルートは レイアウト自由度を最も左右する要素。
特に飲食・美容室・クリニックでは必須チェック。
- 床からの高さ(±0の位置)
- 立ち上がりの中心位置
- 排水管径(50A/75A)
- 経路の方向(どこへ流れているのか)
💡 排水芯の高さ=床上げ高さの判断基準になる。
▼ 排水勾配が確保できるか
排水管は勾配が必要。
- 50A:2%(1mで2cm必要)
- 75A:1%(1mで1cm必要)
排水経路が長いと、
床上げが20〜40cm必要になることも多い。
▼ 給水・給湯のメーター位置
- 店舗入口付近の外部にあるか
- 管理会社の共用部にまとめられているか
- 給湯器の既存有無・能力
キッチン・シャンプー台・洗面台の能力に直結する。
▼ 前テナントの設備状況を確認
- 何を使っていたか
- 排水の改修履歴
- グリストラップの有無
- 床下配管の状態
前テナントの情報は レイアウト判断のヒント になる。
■ 2. 電気設備の調査(電力量が足りないとレイアウト不可)
▼ 契約容量(kVA)
飲食・美容室は特に電力が必要。
目安は以下の通り:
- 小規模飲食店:7〜15kVA
- 美容室:10〜15kVA
- クリニック:10〜20kVA
現状が 30A(3kVA) しかないテナントは要注意。
▼ 分電盤・ブレーカーの状態
- 主幹ブレーカーの容量
- 回路数
- 加熱機器が多い場合は回路増設が必要
▼ 既存エアコン・設備の電源容量
- エアコンの馬力と年式
- IH・小型給湯器・冷蔵庫の電源
- 一緒に動かせる電力量があるか
■ 3. ガス設備の調査(飲食店は最重要)
▼ ガスの種類
- 都市ガス
- LPガス
火力・給湯速度・ガス機器選定に影響する。
▼ ガスの引込位置
- 厨房のレイアウト
- 壁・床の配管可否
- ガス管の径やルートの確保
▼ 給湯器の能力
- 既存なのか
- 号数(16号・20号・24号など)
- 給湯量が足りるかどうか
■ 4. 換気・排気設備の調査
▼ 換気扇・ダクトルート
- 既存ダクトのサイズ
- 天井裏にスペースはあるか
- 外部排気が可能か
厨房の場合は 消防法・管理会社基準 も確認する。
▼ 換気量の不足
美容室の薬剤臭、飲食店の煙対策など、
換気量不足は 大きなクレーム原因 になる。
■ 5. 消防設備・内装制限の調査
▼ スプリンクラー
- 配置
- 天井高さ
- 移設可否
- ヘッドの本数
▼ 火災報知器(感知器)
- 増設が必要か
- レイアウト変更で位置ズレがないか
▼ 内装制限(不燃・準不燃)
店舗、飲食店、物販などで制限が違う。
仕上げ材の選定に関わる。
■ 6. 調査で最低限やるべきチェック一覧(保存版)
- 排水芯の位置・高さ
- 排水勾配が確保できるか
- 給水・給湯の能力
- 電気容量(kVA)
- 分電盤の回路数
- ガスの種類
- 換気ルートの有無
- 天井高と消防設備
- 内装制限
- 前テナント情報
- 床下スペースの有無
- 入口段差の高さ
■ まとめ
既存設備の調査は、
内装工事の予算・工期・レイアウトの自由度を決める最重要工程 です。
特に店舗内装では、
✔ 排水位置
✔ 電力量
✔ ガス種別
✔ 換気経路
✔ 消防設備
この5つが工事費に直結します。
調査が正確にできれば、
後のレイアウトや施工判断がスムーズになり、
トラブルのない店舗づくりが可能になります。
■ 注意事項(必読)
この記事で紹介している調査ポイントや寸法・能力の基準は、あくまで 一般的な店舗内装の目安 です。
実際の工事では、
- 建物の構造(RC・S造・木造)
- 既存テナントの設備状況
- 排水経路や床下スペースの有無
- 管理会社・ビル側の規制
- 消防・保健所の基準
- 前テナントからの残置設備
- 物件の築年数や劣化状況
などにより、必要な工事内容や判断が 大きく変わる ことがあります。
正確な判断には、
現場の寸法確認・設備状況の把握・専門業者との打合せ が不可欠です。

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