壁の内部は普段は見えませんが、
木造住宅の壁と店舗・商業施設で使われる LGS壁(軽量鉄骨下地) では構造が全く異なります。
本記事では、
- 木造壁の基本構造(柱・間柱・胴縁)
- LGS壁の基本構造(スタッド・ランナー)
を初心者にも分かりやすく解説します。
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■ 第一部|木造の壁構造(住宅・木造建物)
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■ 1|柱と間柱(まばしら)
● 柱
建物を支える主要構造材。
一般的な寸法:
- 105 × 105mm(標準)
- 120 × 120mm(強度が必要な箇所)
柱は構造体のため、勝手に抜けない“重要な壁” となります。
● 間柱(まばしら)
柱と柱の間に入れる細い縦材。
壁の面を作るための下地で、構造材ではありません。
寸法例:
- 30〜45mm × 90mm
用途:
- PB(石膏ボード)を固定する
- 壁の面をつくる
- 柱の補助
■ 2|胴縁(どうぶち)
壁の“横の下地”となる部材。
● 胴縁の役割
- PBを横方向に固定する
- 壁の通り(まっすぐさ)を調整する
- 配線や断熱材を調整しやすくする
寸法例:
- 15〜30mm × 45mm
■ 3|木造壁を文章図解で理解する
下から順に:
① 壁仕上げ(クロスなど)
↓
② 石膏ボード(PB)
↓
③ 間柱(縦)+胴縁(横)
↓
④ 柱(構造体)
↓
⑤ 外壁 or 隣室
これが木造の“格子状の壁下地”です。
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■ 第二部|LGS壁(店舗・オフィス・商業施設)の基本構造)
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LGS(軽量鉄骨)壁は 建物の構造とは独立した「内装壁」 です。
■ 1|LGS(軽量鉄骨)とは?
鉄製のスタッド(縦材)とランナー(横材)で組む壁。
特徴:
- まっすぐで狂いがない
- 高さのある壁に強い
- 不燃材のため商業施設で標準
- 施工が速い
■ 2|LGS壁の基本構成
● スタッド(縦材)
木造でいう“間柱”の役割。
一般的なピッチ:
- 303mm
- 455mm
● ランナー(横材)
スタッドをはめ込むレールとして床と天井に使用。
● 石膏ボード(PB)
木造と同じく 9.5mm・12.5mm が一般的。
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■ LGSスタッド寸法(65mm・75mm・100mm)の正しい使い分け
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■ 1|65mmスタッド(S-65)
最も一般的で、店舗の多くの間仕切りは65mmで十分対応できます。
● 使用例
- 通常の間仕切り壁
- バックヤード
- 住宅リフォームの内壁
- 荷重の小さい壁
● メリット
- 材料が安い
- 施工が軽い
- 壁厚が薄い
● 注意点(重要)
メーカー仕様では、65mmスタッドは 壁高4.0m程度まで使用可能 とされていますが、これは 条件付きの最大値 です。
▼ “4mまでOK” の条件
- スタッドが JIS規格品
- 適切なピッチ(303/455mm)
- 軽荷重の間仕切り
- 開口部が多くない
- 棚・吊り物などの荷重をかけない
- 必要に応じて 振れ止め・補強材 を追加
上記の条件を満たさない場合は、
75mmまたは100mmへアップ するのが安全です。
■ 2|75mmスタッド(S-75)
65mmより剛性が高く、高さ3〜3.5mの壁で安定しやすい。
● 使用例
- 高さのある店舗壁
- ある程度の遮音が必要な壁
- 揺れを抑えたい壁
■ 3|100mmスタッド(S-100)
高強度が必要な壁に使用される。
● 使用例
- 高さ3.5〜5mの壁
- 遮音壁(PB多層貼り)
- 設備を壁内に多く入れる部分
- 壁厚を確保したい場合
- 倉庫・大空間区画壁
● メリット
- たわみに非常に強い
- 壁内に配管・配線を多く通せる
- 高遮音仕様を作りやすい
■ LGSサイズ使い分けの結論
65mm → 標準的な間仕切り(〜4mまで条件付き)
75mm → 高さ・剛性を少し上げたい壁
100mm → 高壁・遮音・設備壁など高性能用途
この基準を理解しておけば、
店舗設計の壁仕様判断が劇的に早くなります。
■ まとめ
壁の理解で重要なのは次のポイントです。
木造壁
- 柱+間柱+胴縁
- PBで仕上げ
- “構造壁”が存在する
LGS壁
- スタッド(縦)+ランナー(横)
- スタッドのサイズが壁性能に直結
- 65mmは4mまで“条件付きで使用可”
店舗やオフィスの壁計画では、
LGSスタッド寸法の選定が壁の安全性・施工性・コストを大きく左右します。
■ 注意書き(ブログ用)
本記事は一般的な木造壁およびLGS壁構造の基礎をもとにした入門解説です。
壁高さ・荷重・PB仕様・設備条件により最適なLGSサイズは変わります。
計画・改修時には必ず専門業者へ確認してください。

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