換気設備は、店舗・住宅・オフィスのいずれでも必ず必要になる要素ですが、
「シロッコ?プロペラ?全熱交換器?」 と種類が多く、違いが分かりにくいと思います。
この記事では、内装工事でよく登場する
3種類の換気方式の基本と選び方 を、できるだけ分かりやすくまとめます。
1. プロペラファン(壁付け換気扇)
■ 特徴
- 壁に直接取り付けるシンプルな換気扇
- 羽根が回って外気へ直接排気
- 昔から家庭や飲食店厨房でよく使われるタイプ
■ メリット
- 価格が安い
- 構造が簡単で壊れにくい
- 風量が大きく、排気力が強い(特に厨房)
■ デメリット
- 風圧の影響を受けやすい
- 気密性の高い建物では逆流しやすい
- ダクトを引けないため設置場所が限られる
■ どんな場所に向いている?
- 小規模な飲食店の厨房
- トイレ・倉庫・バックヤード
- 壁に直接穴を開けられる物件
2. シロッコファン(ダクト用換気扇)
■ 特徴
- 最も普及している換気方式
- ダクト(配管)を使って空気を外へ排気
- 羽根が“たくさんの薄い羽”になった円筒形のファン
■ メリット
- ダクトで自由に排気ルートを引ける
- 風圧に強い
- 天井裏に隠せるので内装がスッキリする
- 店舗・オフィスで最も一般的
■ デメリット
- プロペラファンより少し高価
- ダクト工事が必要
- メンテナンスは天井点検口から行う必要あり
■ どんな場所に向いている?
- 店舗全般
- オフィスや事務所のトイレ・給湯室
- ダクトを長く引きたい場所
- 厨房(ただし強力タイプが必要)
3. 全熱交換器(熱交換換気・ロスナイ)
■ 特徴
- 近年増えている「給気と排気を同時に行う」換気設備
- 室内の熱(温度や湿度)を回収しながら換気
- 省エネ性能が高い
■ メリット
- 冷暖房のロスが少ない
- 空調負荷が下がるため省エネ
- 外気を直接入れないので快適
- 大規模なオフィス・商業施設・クリニックで増加
■ デメリット
- 初期費用が高い
- 設置スペースが必要
- メンテナンス(フィルター清掃)が必須
■ どんな場所に向いている?
- オフィス
- 病院・クリニック
- 高気密建物
- 高級住宅
- 冷暖房効率を重視する店舗
4. それぞれの使い分け(分かりやすく)
| 換気方式 | 排気力 | 静音性 | 設置自由度 | コスト | 向いている場所 |
|---|---|---|---|---|---|
| プロペラファン | 強い | 普通 | 低い(壁のみ) | ◎ | 小規模厨房・倉庫・住宅のトイレ |
| シロッコファン | 安定 | やや静か | 高い(ダクトで自由) | ○ | 店舗全般 |
| 全熱交換器 | 普通 | 非常に静か | 中 | △(高い) | クリニック・オフィス |
5. 結局、どれを選べばいい?(実務的まとめ)
✔ 店舗全般 → シロッコファンが基本
換気の8割はこれで対応可能です。
✔ 厨房で強力な排気が必要 → プロペラ or 業務用シロッコ
油煙・熱・湯気が多い場所はプロペラが強い。
✔ 空調効率や静音性が重要 → 全熱交換器
クリニックやオフィスなど、快適性を優先する場所に最適です。
まとめ
換気設備と一口に言っても、
構造・強さ・設置方法・空調ロスなど、用途によって選ぶ方式が大きく変わります。
- プロペラ:強力・安い・壁直結
- シロッコ:最も汎用性が高い
- 全熱交換器:空調効率アップ・静か
この違いを理解しておくと、
内装計画や現場での判断がスムーズになります。
【注意書き】
本記事は一般的な換気方式を分かりやすくまとめたもので、
実際の換気量・機器選定・ダクト設計は建物の形状や用途により大きく異なります。
具体的な設備計画は、必ず設備業者や建築士にご確認ください。

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