木造建物の理解は、
柱・土台・梁 の3つを押さえることから始まります。
専門的な計算や難しい話は抜きにして、
「木造の構造はどう成り立っているの?」を
最も基礎の部分だけで説明します。
■ 1|柱(はしら)とは?
柱とは 建物をタテ方向に支えるまっすぐな木材 のことです。
建物の重さを下へまっすぐ伝える“縦の骨”で、
柱がなければ建物は成立しません。
柱は以下のすべてを支えています:
- 屋根
- 天井
- 梁
- 上階の床
- 壁
■ 2|柱の一般的なサイズ(とても重要)
木造住宅で使う柱は、ほぼ 105mm角(いわゆる“3寸5分”) が基本です。
【よく使う柱サイズ】
- 105 × 105mm(もっとも一般的)
- 120 × 120mm(強度を上げたい部分)
- 150 × 150mm(大黒柱・意匠性目的など特殊)
現代木造の標準は 105mm角。
120mm角は
- 隅柱
- 通し柱
- 大きな梁の受け
など、力のかかる部分で使われます。
150mmは、構造よりも意匠性(見せ柱)として使われることが多いです。
■ 3|柱の種類(最も基礎の3つ)
● 通し柱(とおしばしら)
1階~2階まで 一本で通っている柱。
家の“背骨”のような存在です。
- 耐震性が高い
- 抜いたり切ったりしにくい
- 隅や構造の重要部に使われやすい
- 多くは 120mm角
● 管柱(くだばしら)
1階だけ・2階だけの 一般的な柱。
木造住宅の柱の大半がコレです。
- 長さは約3m前後(天井高さ用)
- 固定する金物が多い
- サイズは 105mm角が基本
● 隅柱(すみばしら)
家の四隅に立つ柱。
最も力が集中するため強度が必要。
- 地震時に負荷がかかりやすい
- 金物で強固に固定される
- 多くは 105mm〜120mm角
▼ 3種類をめちゃくちゃ簡単に言うと
- 通し柱=家を上下につなぐメイン柱
- 管柱=普通の柱(各階にある)
- 隅柱=角の柱(強度が高い)
これが柱の超基礎です。
■ 4|土台(どだい)とは?
土台とは、基礎コンクリートの上に 水平に寝かせて配置する木材 のこと。
柱の下を支える “横の木” です。
● 土台の役割
- 柱を支える
- 建物の“最初のフレーム”を形づくる
- 地震力を基礎に伝える
- 防腐・防蟻処理されている
● 土台の一般的なサイズ
- 105 × 105mm(標準)
- 120 × 120mm(基礎仕様により)
基本は 105mm角 です。
■ 5|土台はどう基礎に固定されている?
土台はコンクリートにただ置かれているわけではありません。
● アンカーボルトで“締め付けて固定”する
基礎コンクリートの中に埋め込んだ アンカーボルトに
土台を通し、ナットでしっかり締める仕組みです。
- 約910mm間隔で設置
- 隅部分は必ず固定
- 地震時に土台が跳ねないようにする重要部材
これで「基礎と木造が一体化」します。
■ 6|梁(はり)とは?
梁とは 柱と柱を横につなぐ太い木材 です。
屋根・天井・2階の床など、
上からくる重さを“横方向に受け止めて”柱へ流す 役割があります。
● 梁の一般的なサイズ
梁は断面が大きく、幅・高さともに大きくなります。
例:
- 105 × 180mm
- 120 × 240mm
- 105 × 300mm(大スパン)
※ 大きさはスパンによって変わるため、寸法は現場ごとに異なります。
■ 7|柱 × 土台 × 梁で木造の“最小骨組み”ができる
木造は複雑に見えますが、
本質はこの3つだけで構成されています。
① 基礎の上に 土台(横) を置く
↓
② 土台の上に 柱(縦) を立てる
↓
③ 柱同士を 梁(横) でつなぐ
たったこれだけで木造の骨格が完成します。
筋交いや金物・小屋束などは、
この基本の“補強”となります。
■ まとめ
木造の理解は、まず次の3つの役割を知ることです。
- 柱=縦の骨
- 土台=基礎の上の横の木
- 梁=柱と柱をつなぐ太い横材
柱の一般寸法(105mm・120mm)を覚えると、
図がなくても建物の骨組みが想像できるようになります。
■ 注意書き(ブログ用)
本記事は在来工法木造の一般的な寸法と構成を基にした入門解説です。
建物の築年数・仕様・地域・設計条件により寸法や工法は異なる場合があります。
改修や計画時は必ず専門家に確認してください。

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