在来工法(木造軸組工法)は、
柱(縦)・梁(横)・筋交い(斜め) の3つで建物を支える、日本で最も一般的な木造構造です。
この3つの役割を理解しておくと、
在来工法の木造建築のリノベーションなどでよくある
「どこまで壁を撤去できるのか?」
「天井はどこまで上げられるのか?」
という判断がしやすくなります。
1. 柱(はしら)|建物を支える“縦の柱”
柱は、建物の重さ(屋根や2階など)を基礎へ伝える役割があります。
- 建物の垂直方向の力を受ける主要構造部材
- 通常 910mm(3尺)ピッチで配置(地域差あり)
- 構造上の柱は基本的に撤去不可
柱は建物の“足”にあたるため、
ここを残す/撤去するかでプランニングの自由度が大きく変わります。
2. 梁(はり)|柱をつなぐ“横の骨”
梁は柱と柱をつなぎ、
床や屋根の荷重を支える横方向の構造材です。
- 多くは天井裏に隠れている
- 梁の位置=天井高さの“上限”
- 梁を切ると床や屋根の荷重が支えられなくなる
天井を高くしたいリノベでは、
「どこに梁があるか?」が最初のチェックポイントになります。
3. 筋交い(すじかい)|揺れに耐える“斜めの補強材”
筋交いは、壁の中に入っている斜めの材で、
地震や風などの横からの力に耐えるための部材です。
- 45度や60度で配置されるのが一般的
- 揺れによる変形を抑える役割
- 筋交いが入った壁は 耐力壁 → 撤去は慎重に判断
「この壁は壊せるのか?」を判断するうえで
筋交いの有無は非常に重要です。
4. 壁の種類:大壁(おおかべ)と真壁(しんかべ)
在来工法の壁は、仕上げ方法によって構造の見え方が大きく変わります。
リノベではこの違いがかなり重要です。
● 大壁(おおかべ)
柱・梁を壁の中に隠す、現代で主流の仕上げ方法です。
- すっきりしたモダンな見た目
- 断熱材・配線が入れやすい
- 柱の位置を気にせず仕上げができ、内装デザインの自由度が高い
- 開口(ドアや窓)の位置変更・間取り変更の取り回しが良い
- 柱・筋交いが壁の中に隠れて見えない
→ そのため、構造確認が必要な場合は、
状況に応じて 部分的に開口して内部を確認することがあります。
(特に古い建物や図面がない物件では一般的な手法です)
● 真壁(しんかべ)
柱・梁が室内側に見えている、和室などで使われる伝統的な工法です。
- 柱や梁が見えるため構造が把握しやすい
- 和風の意匠に向いている
- 一方で断熱や配線の自由度は低め
→ 構造が見えるため、撤去判断しやすいメリットがあります。
5. この3つが合わさって建物の骨組みが成立する
在来工法は、
- 柱(縦) → 重さを支える
- 梁(横) → 重さを横方向へ伝える
- 筋交い(斜め) → 揺れに耐える
という3方向の役割が組み合わさることで、
地震の多い日本でも建物が安定するように作られています。
この“縦・横・斜め”のバランスが在来工法の特徴です。
6. リノベーション現場でのポイント
- 筋交いの有無は必ず確認する
- 柱・梁をいじる場合は補強が必要
- 大壁では構造が隠れているため、
必要に応じて一部を開けて確認することがある - 古い建物や図面が残っていない物件では内部構造が不明なため、
見た目だけで判断しないことが重要
“事前の推測”と“現物確認”を組み合わせるのが、
実務では最も安全な進め方です。
まとめ
在来工法を理解するために重要なのは、
- 柱=縦の柱
- 梁=横の骨
- 筋交い=揺れに耐える斜め材
- 大壁=構造が隠れ、デザイン自由度が高い
- 真壁=構造が見え、判断しやすい
この5つのポイントです。
【注意書き】
本記事は一般的な内容をわかりやすくまとめたものです。
実際の構造は建物の築年数・地域・設計・施工状況によって異なります。
壁の撤去や構造の変更を行う際は、必ず建築士・構造専門家にご確認ください。

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