天井は「上に板が貼ってあるだけ」に見えますが、
木造住宅と商業施設(LGS天井)では
構造がまったく違います。
この記事では、
① 木造天井の基本構造
② LGS(軽量鉄骨)天井の基本構造
を 分けて 解説します。
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■ 第一部|木造天井の基本構造(住宅・和室など)
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木造の天井は、建物の構造(梁・母屋・垂木)と密接に関係しています。
● 1|木造天井の種類は主に「直天井」と「野縁天井」
■ ① 直天井(じかてんじょう)
梁や床組に 直接石膏ボードを貼る天井。
- 木造住宅に多い
- 天井裏がほとんどない
- 梁の位置=天井高さの限界
- 構造がシンプルで強い
天井高を上げにくい構造。
■ ② 野縁天井(のぶちてんじょう)
天井板を貼るために
野縁(細い木材)を格子状に組み、少し下げて天井を作る工法。
● 野縁の役割
- 天井ボードを支える
- 天井を水平に整える
- 電気の配線スペースを確保
● 野縁の寸法
- 30×40mm 程度の木材
- 303mm(1尺)ピッチで組むのが一般的
● 野縁受け
野縁を受ける一回り太い木材(天井の“大枠”)。
● 2|木造の天井を文章で図解するとこうなる
下から順に見ると:
① 天井仕上げ(石膏ボード・化粧材)
↓
② 野縁(細い木材)
↓
③ 野縁受け(太い木材)
↓
④ 梁(建物の構造体)
↓
⑤ 小屋組(母屋・垂木・野地板)
これが 木造天井の最も基本的な姿 です。
● 3|木造天井の特徴(メリット/制約)
■ 木造天井のメリット
- 構造が強い
- 夏冬の断熱層が確保しやすい
- 下地が木なので加工しやすい
■ 木造天井の制約
- 梁の位置が絶対(天井を上げるのが難しい)
- 天井裏のスペースが少ない
- 設備(ダクト・配管)が通しにくい
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■ 第二部|LGS吊り天井(店舗・商業施設)の基本構造
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店舗・オフィス・ホテルなどでは、
天井の下地はほぼ LGS(軽量鉄骨) で作られています。
木造と違い、
天井を“吊って”作る工法 で、
設備スペースが大きく取れるのが特徴です。
● 1|LGS天井の基本構造
LGS天井は次の順で作られます。
① 仕上げ(石膏ボード)
↓
② 角スタッド(LGS)や野縁(LGS部材)
↓
③ 野縁受け(LGS部材)
↓
④ 吊りボルト(上から吊る金物)
↓
⑤ 建物のスラブ(RC)または梁
木造は“下から支える”
LGS天井は“上から吊る”
この違いが最も重要です。
● 2|吊りボルトの役割
店舗天井の命となる部材。
- 天井の高さを自由に調整できる
- 天井を“浮かせて”支える
- 重いダクト・配管の位置と干渉しない
- 大空間でも水平が出しやすい
商業施設では 吊りボルト+LGS が多く採用されています。
● 3|LGS天井の特徴(メリット/制約)
■ LGS天井のメリット
- 高さ調整が自由
- 天井裏に大量の設備が通る
- 大空間に強い
- 仕上がりが綺麗
- 軽量で耐火区画に適合しやすい
■ LGS天井の制約
- 木造より揺れを受けやすい(吊り構造)
- 固定荷重(照明・吊り物)の位置に注意
- スラブや梁に吊り点が必要
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■ 木造天井 と LGS天井 の違いをまとめる
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| 木造天井 | LGS天井(店舗・商業) | |
|---|---|---|
| 構造の考え方 | 下地を“下から支える” | 天井を“上から吊る” |
| 天井高さ | 梁で決まる(上げにくい) | 自由に調整できる |
| 設備スペース | ほぼ無し | 非常に大きい |
| 天井裏の構造 | 梁・野縁受け・垂木 | LGS・吊りボルト |
| 強度 | 構造体に直結し強い | 吊り構造のため揺れに敏感 |
| 用途 | 住宅・木造建物 | 商業施設・ホテル・オフィス |
■ まとめ
天井構造の基本は次の通りです。
木造天井:構造体(梁)と一体で作られる天井
- 梁の位置に従う
- 野縁・野縁受けで組む
- 天井裏は狭い
LGS天井:天井を吊って作る内装天井
- 吊りボルトで高さ自由
- LGSで軽量・精度良い
- 設備スペースが大きい
木造とLGSを分けて理解することで、
店舗計画・改修時の判断がスムーズになります。
■ 注意書き(ブログ用)
本記事は一般的な木造天井およびLGS天井の基本構造をもとにした入門解説です。
建物の仕様・構造・設備条件により天井の作り方は異なる場合があります。
計画時・改修時には必ず専門業者へ確認してください。

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