建具(たてぐ)とは、
ドア・引戸・建具枠(ドア枠)など をまとめた呼び方です。
現場では「建具ってどう付いてるの?」「引き戸は壁の中に入る?」「丁番とは何?」など
建具の基礎構造を知っているだけで、図面の理解も現場確認もスムーズになります。
DAY7では
ドアの種類 → 枠 → 開閉の構造 → 金物 → 実務での使い分け
の順で解説します。
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■ 1|一般的な建具の種類
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建具は大きく 「開き戸」 と 「引戸」 の2種類が多く使われています。
■ ① 開き戸(ドア)
押したり引いたりして開く“一般的なドア”。
● 特徴
- 気密性が高い
- 音漏れしにくい
- 施工が簡単
- もっともトラブルが少ない
● 主な用途
住宅全般、店舗のバックヤード、トイレなど
■ ② 引戸(引き戸)
横にスライドさせるドア。
● 特徴
- スペースの節約になる
- 通路幅が狭い場所に強い
- 開閉が静かで軽い
● 主な用途
店舗のバックヤード、住宅のLDK、洗面や収納
引戸は「壁の中を通るタイプ」と「壁の前を走るタイプ」があります(後述)。
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■ 2|建具枠(ドア枠・引戸枠)の役割
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● 枠とは?
建具を取り付けるための “固定側”のフレーム のこと。
● 枠の役割
- ドアを留める
- 丁番やクローザーを取り付ける
- 壁と建具を一体化する
- 開口寸法を確定する
枠が正しく取り付けられていないと、
ドアが閉まらない・隙間ができる・鍵が合わない などのトラブルが起きやすくなります。
● 枠の材料
- 木製(住宅)
- スチール枠(店舗・施設)
- アルミ枠(商業施設・オフィス)
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■ 3|開き戸の仕組み:丁番・ピボット・ドアクローザー
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開き戸は どこを軸にして回転するか が重要です。
■ ① 丁番(ちょうばん:ヒンジ)
最も一般的。枠と扉を回転軸でつなぐ金物。
● 丁番の特徴
- 住宅も店舗も最もよく使う
- コストが安い
- メンテナンスが容易
- 荷重は枠側にかかる
■ ② ピボットヒンジ(ピボット丁番)
扉の上下で支えるタイプ。
店舗やハイグレード住宅でよく使われる。
● 特徴
- 大型ドアでも軽く開く
- デザイン性が高い
- 床側にピボット軸が来る
- 枠がないデザイン(フルハイト建具)にも対応
■ ③ ドアクローザー
開いた扉を自動でゆっくり閉める装置。
● 使用場所
- 店舗入口
- トイレ
- 共用部
- 防火戸(常に設置が必要)
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■ 4|引戸の仕組み:上吊り・下レールの違い
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引戸には 上吊りタイプ と 下レールタイプ の2種類があります。
■ ① 上吊り引戸
扉の重さを 上部の金物(ハンガーレール)で支える タイプ。
● 特徴
- 下にレールがなく、清掃しやすい
- 開閉が軽い
- 店舗では標準的
- 壁の中を走る“引き込み戸”もこれ
■ ② 下レール引戸
床側のレール上を滑るタイプ。
● 特徴
- 重いドアを使える
- ガラス戸で採用が多い
- 車椅子利用などで段差に注意
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■ 5|引戸の種類(店舗・住宅でよく使うタイプ)
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■ ① 引き違い戸
2枚の扉が左右に走る一般的なタイプ。
■ ② 片引戸(片側へスライド)
最もシンプルな引戸。
■ ③ 引き込み戸(アウトセット・インセット)
扉が 壁の中に収納されるタイプ(上吊りが基本)。
● 特徴
- 開口が最大限広くなる
- デザイン性が高い
- 下地(壁厚)の調整が必要
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■ 6|建具選びの基本ルール(実務で役立つ)
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● 開き戸を選ぶべき場面
- 気密性が必要
- 音漏れを抑えたい
- トイレや個室
- コストを抑えたい場合
● 引戸を選ぶべき場面
- 通路が狭い
- バックヤードで扉が邪魔になる
- バリアフリー対応
- 開閉音を静かにしたい
● 上吊り引戸を選ぶ理由
- 店舗ならほぼ標準
- 清掃性が高い
- 下レールによる段差が嫌われる
- 壁の中に引き込む設計がしやすい
● ピボット丁番を選ぶ場面
- 大型ドア
- 重いドア
- デザイン性を重視
- 枠なし・天井までのフルハイト建具
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■ 7|まとめ
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建具の基本は、次の3つさえ理解すれば十分です。
① 種類(開き戸 / 引戸)
→ 使う場所により向き不向きがある。
② 枠の種類と役割
→ 建具の精度は枠で決まる。
③ 開閉の仕組み(丁番 / ピボット / 上吊り / 下レール)
→ 仕組みを知るだけで図面の理解が深まる。
建具は「ただ付けるもの」ではなく、
動き・音・清掃性・壁厚・見た目 すべてに関わる
とても重要な内装要素です。
■ 注意書き(ブログ用)
本記事は一般的な建具(ドア・引戸)の構造・種類をもとにした入門解説です。
建物の用途・寸法・防火仕様・建具重量などにより適切な金物や枠構造は異なります。
計画時には必ず専門業者へ確認してください。

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