坪単価の目安と業種別の違いを解説
店舗を出店するとき、多くの人が最初に気になるのが「内装費はいくらかかるのか」という点ではないでしょうか。
結論から言うと、スケルトン物件を前提にした場合の坪単価目安は次の通りです。
- 物販店:30〜60万円/坪
- 美容室:50〜100万円/坪
- 軽飲食:60〜100万円/坪
- 重飲食:80〜150万円/坪
ただし、この数字はあくまで一般的な水準です。実際の工事費は、物件条件や設備状況によって大きく変わります。
この記事では、坪単価の考え方と業種ごとの違いを整理します。
坪単価とは?
坪単価とは、内装工事費を店舗面積で割った金額です。
例えば、50坪の物件で内装費が3000万円の場合、
3000万円 ÷ 50坪 = 60万円/坪
という計算になります。
ただし、坪単価はあくまで「比較の目安」です。
重要なのは、その金額に何が含まれているかです。
坪単価が変わる主な理由
1. スケルトンか居抜きか
スケルトン物件は内装がない状態のため、給排水・電気・空調を一から整備します。
そのため費用は高くなりやすい傾向があります。
一方、居抜き物件は既存設備を活用できればコストを抑えられます。ただし、設備が老朽化している場合は交換が必要になり、結果的に高くなることもあります。
2. 設備工事の割合
内装費の中でも、設備工事は金額への影響が大きい部分です。
特に飲食店では、
- 給水・排水容量の確保
- グリストラップ設置
- ガス容量の増設
- 排気ダクト工事
- 空調能力の追加
といった設備対応が必要になり、坪単価が上がります。
3. ビル側の工事区分
商業施設やテナントビルでは、工事区分(A・B・C工事)によって施工方法や費用負担が変わります。
工事区分については、
「A工事・B工事・C工事とは?違いと注意点を解説」の記事で詳しくまとめています。
ビル指定業者での施工が必要な場合は、工事費が割高になる傾向があります。
物件選びの段階で確認しておきたいポイントです。
業種別の目安
物販店(30〜60万円/坪)
比較的設備が少ないため、コストは抑えやすい業種です。
ただし、
- 造作什器が多い
- 天井演出にこだわる
- 照明計画を強化する
といった場合は金額が上がります。
美容室(50〜100万円/坪)
シャンプー台の給排水が必要になるため、設備工事の比率が高くなります。
排水勾配の確保や給湯能力の確認など、物件条件が大きく影響します。
飲食店(60〜150万円/坪)
もっとも費用差が出やすい業種です。
カフェなどの軽飲食は比較的抑えられますが、焼肉や居酒屋などの重飲食は、
- 強力な換気設備
- 厨房防水
- 消防設備の追加
- ガス容量増設
などが必要になり、坪単価は高くなります。
坪単価に含まれないことが多い費用
坪単価だけを見ていると、次の費用を見落としがちです。
- 設計費・デザイン費
- 確認申請関連費用
- 消防検査対応
- 厨房機器
- 家具・什器
- 看板工事
- 原状回復費用
特に退店時の原状回復費は想定以上にかかることがあります。
原状回復の基本的な考え方については「原状回復とは何か?」の記事で解説しています。
見積もりを見る際は、「何が含まれているか」を必ず確認しましょう。
どのくらい予算を見ておけばよいか
資金計画を立てる際は、
- 物販:坪50万円前後
- 美容室:坪70万円前後
- 飲食店:坪100万円前後
をひとつの目安として考え、そこから物件条件によって増減するイメージが現実的です。
都市部や商業施設では、この水準を上回ることも珍しくありません。
まとめ
店舗内装の費用は、
- 物件の状態
- 設備容量
- 業種特性
- ビル側条件
によって大きく変わります。
坪単価は便利な指標ですが、それだけで判断するのは危険です。
実際の出店計画では、現地調査と詳細な見積もり確認が欠かせません。
数字だけにとらわれず、工事内容の内訳を理解することが、資金計画を成功させるポイントです。


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